祭りは夜19時ごろからにおこなわれます。
祭りの中心は「切子灯籠」で、灯籠踊りともいわれ室町時代の風流踊りの面影を残しています。
切子灯籠は高さ約70センチで赤い紙に「透かし彫り」(武者絵や動物、風景などの絵模様)を白の地紙に張ったもので毎年各町ごとに一対製作します。
赦免地踊りは次の人々によって奉納されます。
十人頭 - その年満30歳になる青年十人で、祭り一切を取り仕切ります。
灯籠着 - 8名、女装した男子(13~14歳)
警 護 - 8名、灯籠着の補助役
踊り子 - 10名女子児童(10~11歳)
音頭取り衆- 6~7名 太鼓うち - 1名
新発意 - 各町よりでて狂言等を行う
祭りは十人頭の合図(午後7時)により始まります。
各町の宿元(長老宅)に新家(十人頭の一番年少者)が祭りの始まりを告げると、頭の灯籠を載せた灯籠着と警護が音頭取り衆などとともに伊勢音頭に合わせ、門口(村の中心地)に向かいます。
門口では各町の灯籠、踊り子、音頭取り衆、新発意が頭(十人頭の一番年長者)によって揃っているかどうか確認されます。
全員の揃っていることの確認後、十人頭を先導で宮へと進みます。
馬場では、宮に向かって進む行列が一列に並び踊り子たちの持つ赤い提灯と灯籠着のかぶる灯籠の蝋燭が「ゆら、ゆら」ゆれて幻想の明かりを見せます。
石段に着くと観衆のざわめきを十人頭が静めます。静寂のなか静かに「忍細道に山椒を植えて、行くとき一つ植えて」と静かに、静かに「道歌」が音頭取り衆に歌われ石段を一段一段上られて行きます。
屋形に着くと灯籠着はゆっくりと音頭に合わせてその周りをまわります。
舞台では三番叟が演じられるのに続いて踊り子たちによって手桶をもった「汐汲み踊り」や花籠をもった「花摘み踊り」、新発意たちによる狂言が奉納される。(昔は一晩中、芝居など演じられた)
やがて「狩場踊り」の音頭が歌われると、灯籠は「警護」にかぶられゆのっくりと屋形の周りをまわり始めます、三番の歌詞に入り、「いざや帰らんわが宿へ」と早いリズムで歌われ始めると灯籠も宿元へ走りながら帰っていき祭りは終わります。
音頭は楽譜がなく、すべて口承で伝えられます、リズムは太鼓で「四つ拍子」トントントーントンと打たれます、曲数は全部で10曲あります、一年目で5曲習い2年目で5曲を習って一通り終わり、それから「ゆり」といった「いろあい」を何年もかけてつけていきます。